第二回プロト歌会

シャニマス詩歌部で定期歌会と趣向を変えて、さまざまなテーマで行うプロト歌会の第二回。今回のお題はユニット(アンティーカ)、飲食物、体現止め、自由詠の四つ。前回は完全に見逃していて、気づいたときには終わっていたので今回は参加してみる。

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ユニット部門は今回はスルー。
アンティーカはよく知らないのと、リアルの都合であまり時間も取れなかったので。

技法部門は体言止め。
句切れすべてではなく最後のみというゆるめの縛りだったので、まずは普通につくりたいもので考えた。となると、直近で読んだ福丸小糸の「傍白のあいだ」が強烈な話で、これは短歌をつくりたいなと思っていたからそのようにする。「傍白~」はタイトルの通り、言いたいことが言えない/言ったことが伝わらない、そんな話だった(福丸……!!)。さっそく作っていく。
 いつかわたしが言わなくちゃ聞こえないふりしてくれるあのこのために

 歌いたい歌ならあるの伝えたいことならあるの 声が欲しいよ

 歌声は届くことなく消えていく顧みられることなき花火 

 秘められたままの歌声今はまだ誰も知らない真夏の花火

 言い出せぬ言葉は胸で歌となる 誰も知らない真夏の花火

 透明な花火のようだ言い出せぬ言葉がいまも残す残響

かなりの難産になった。
一首目はコミュの内用とちょっと違うし、二首目も含め普通につまらない。考えているうちにこの辺で、言い出せない言葉→届かない歌→伝わらない、という連想から「誰も見ていない花火」が出てくる。天塵ですね。そこからまた転がしていくが、結局は上の句と下の句で同じことを繰り返しているだけだなとなって行き詰まった。
もう一度コミュにあたる。
言えなかった言葉は悔恨として残るだろう。また、傍白である以上、小糸ちゃんは叫んでいるのに周りには伝わっていないという絶望的な状況がある。天塵との繋がりもあるので、花火は使いたい。から、音はしても見えない花火→透明な花火が出てきて一気にまとまった。「いまも残す」か「胸に残す」は最後まで悩んだが、後悔ではなく現在進行形の悩みだなと思い後者で完成とした。

テーマ部門は食べ物か飲み物。
個人的にフード理論に傾倒しているのでこれは頑張りたかった。飲食物なので明暗どちらの方向で展開するかを考える。味がしない、拒絶、ひとりじめという暗い方向は面白いがシャニマスのアイドルだと難しい。やるなら美琴さん一択になってしまうし、どうせなら明るい方向がいい。であれば、分け与える、一緒に食べるという方向。
ぱっと浮かんだのはノクチルの面々とシーズのふたりだったが、頭が福丸になっていたので今回も福丸を選ぶ。
福丸で食べ物といえば飴だが、食物を分け与えるという行為は友愛、承認、生の肯定でありよきことの象徴である。なので、福丸は樋口たちからもらった「よきこと」を、自分も誰かに伝えてあげられるようになりたいのだ、という感じでいくことに。また飴は小糸ちゃんが進んでいく原動力のようなものだと思ったのだが、味わいの方面ではうまく展開できなかったので形から。丸い→星→道標→灯火と、結果的に熱源ぽさとも繋がったのでこれは残してやってみる。

 灯火はあなたがくれたから歩いていくよわたしがあなたに飴をあげる日までは

 灯火はあなたがくれた誰かに飴を渡せるように

 あなたがくれた灯火を掲げて歩くあなたに飴をあげる日までは

 飴玉は灯火なれば掲げ行く誰かにそれを渡せるように

もうなんかいろいろ迷走した。最初は受け取ったものを返す、だったのだが、それでは福丸小糸には足りないなとなり、不特定多数の誰かに渡すことに。それ以外はとにかく要素を削りきれず、いろいろ入れ換えたり言い換えたりした挙げ句、前進している感じは出したかったので「あなた」を消して最終形に。「汚さずに」したのはたいせつな宝物感を出したかったから。大事なものは絶対ピカピカにしてとっておくでしょ、小糸ちゃん。
なお「あなたから貰った」となる部分を削ったのは、福丸で飴玉と来たら樋口たちからもらったものだと、Pならば間違いなく理解してくれると判断したからで、ここは正直甘えてしまったところです。今回最大の反省点だったりする。

自由詠は斑鳩さん。
これは実は歌会関係なく作っていたのを、時間がなかったのでこちらに持ってきたもの。そもそもは「斑鳩ルカって芸名っぽいけど、美琴さんは本名忘れてそう」というTwitterでみたネタから。事実はわからないけれど、とても緋田美琴っぽいなと納得してしまったのでそのまま作ってみた。美琴さんはいろいろ恨まれていそうではある。
斑鳩さんは公式情報が少な過ぎるので若干おもちゃにされている感はあるが、元カノに未練たらたらマインドよわよわ激重感情ゴッドというTwitterのルカさんも嫌いではない。いろいろな意味で今しかつくれないものだとは思う。
とはいえ、自己解釈によった短歌なので歌会に出すものではなかったかなと反省している。自由詠に甘えすぎました。


プロト歌会自体はお題の自由度が高いので、通常の歌会とはまた別の軸として継続して頂けるとおもしろいかなと思います。

以上です。